発達障害者の感覚特性~マスクが苦手!2
新型コロナウイルス感染症によって日常、マスクが手放せない生活になっています。長時間つけていると耳が痛くなってきますよね。また、これからの季節、マスクの中が蒸れて不快に感じることも増えてくるでしょう。このように私たちも、マスクがわずらわしいと感じることがあると思います。発達障害のある人は、私たち以上に過敏に感じることは、本ホームページでも案内させていただきました。
ハーバード大学(米)による感覚に過敏性のあるASDのある方にとってのマスクやその対策について紹介します。ASDのある方にとってマスクとはどのような存在でしょう。
ASDのある方にとってマスクとは?
多くのASDのある方が感覚に過敏さをもっています。特に触覚過敏のある方にとってはマスクをつけることが非常な苦痛になりえます。また、嗅覚に過敏のある方の中には、マスクの中に吐いた、自分の息のにおいに苦しめられる方もいます。
感覚過敏の問題以外にも、会話をする際、相手がマスクをしていると、目だけが強調され、アイコンタクトが苦手な彼らにとっては、どこに目をやっていいのか分からず、ストレスになるということがあります。また、目に見えない細菌やウイルスを防ぐというマスクの役割がうまく理解できないために、そもそもマスクをする必要性がわからず、マスクをしてくれないという保護者の方の意見もあります。
対策として考えられること
Harverd Health Publishingではこれらの課題に対する具体的な対策を紹介しています。それらを参考に対策をまとめてみました。
- ぬいぐるみ、人形、家族など、好きなものや人にフェイスマスクを使ってもらいどのようにマスクを使うか実演してみせる。
- 本人がさまざまなタイプのマスクから、自分の感覚特性にあったものを選択して、快適にマスクをつけていられるようにする。
- たまに外したりしながら、短い時間マスクをつけられるように練習をする。
- 本人が外でマスクを着けられたという成功経験が得られるように、本人が落ち着ける環境に外出をしてみる。
- 外出前にマスクを着用するための視覚的な手がかりとして、マスクを着用したの時の本人の写真を用意する。写真は玄関ドアの近くなどに貼っておく。
- マスクをつけたままガムを噛んだり、アメをなめたりして、息のにおいが気にならなくなるように工夫する。
- 顔全体が見えるように、透明な素材をつかったマスクを使ってもらう。
出典:Helping people with autism spectrum disorder manage masks and COVID-19 tests(米ハーバード大学医学部)